ゲルニカの聖なる木
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■バニーと暮らした一年
コンビニの駐車場でタクシーを降りた。
角に立った街灯の明かりが消えかかっている。
つぶれた「鬼ごろし」の紙パック、流れ出た中身の水たまり。
乾いた空気に、アルコールが湿っぽく香る。
歩道に捨てられているタウン誌の表紙は、旅立つウサギと龍が挨拶
を交わしているイラストだった。

このバニー、最悪のビッチ
いろんなものをさらって行った。
あの日、おにぎり、菓子パン、水などが、このコンビニから消えた。
年中無休のオアシスが枯れたのを見たときの恐怖。
「ぼっち」の達人もへこんだ。

人はひとりでは生きなれない―が、ひとりだけでも生きようとする。。

来年は「ドラゴン」、うさぎどころじゃ…。
期待してるぜ、「ドラ」ちゃん。
J.レノが「ドラ」ちゃんになった今、何がおきてもおどろかないけど。


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2011-12-28 17:08:30

■コペルニクス的記念樹
Tokyo city is fuck'n cold!


街路樹の枯れ葉は落ち、ギザギザの枝だけが残った。
寒さで空気がひび割れたかような梢が広がっている。
微かな風でも、むき出しの神経に触れられたようにビリビリ揺れていた。


ある木の下を通ったとき、変わった枝を見つけた。
よく見ると、小枝が集められ床面が出来ている。


「鳥の巣の跡だ!」と、気づいた瞬間―地球が加速した。



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2011-12-12 22:09:41

■小夜曲
昨晩、ぼくも月を見ていた。
心地よい静けさにつつまれ、硬くて脆いスミノフのビンを片手に。
手のひらの「ヒヤッ」とした感覚は、月に触れているかのようだ。
見上げる月は、ヨード卵のような色をしていた。
ハンプティ・ダンプティがゆで卵だったら……。
空白に耳を傾けても、静寂の匂いしかしない。
闇のなかに「キラッ」と光るものが、猫と目が合った。
小さな月の欠けら。



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2011-12-11 20:03:57

■夕影
カトリックでは「結婚は神さまとの約束だと」いう。神に誓うのだと。
弁護士の先生は「結婚は社会との契約だと」語った。社会的権利と義務が発生するのだと。
愛の宗教(キリスト教)は、受難の宗教でもあった。
義務はいつだって、権利より大きかった。

そして、「婚姻届」を破るには、おたがいの心が破れるだけではすまされない。
浮気が原因だった場合は、とくに。
親族、関係者を巻きこんで、果てしない感情論の争い―宗教戦争…。

緒戦は喫茶店、それからファミレスの奥くの席、決戦地は本人たちのアパートで。
牙をむいて相手が弱みを見せるのを待ち構える女豹、頭を下げ続ける父親。
当人たちがあせるほど、火の手は大きくなってしまった。
妙な疎外感。

あきれて西の空を向いていると、夕日は静かに色を失っていく。


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2011-12-10 23:14:15

■相棒


ぼくは神に祈ったり、願をかけたりしない。
ただし、ギリギリ追い込まれたときは別だ。
こんな冷たい雨と、激しいめまいの日はとくに。

もちろん救われることがないのは、アスピリン
の効き目よりたしかだ。

貸し借りなし。

だからぼくたちの関係は長く続いているし、これからも
上手くやっていけそうだ。


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2011-11-11 20:50:54

■世界を売った女


体温を測ると平熱より5℃高い。
緊張性頭痛と低血圧症からくるめまいで、午前中をふらふら過ごす。
じっとしていてもよくならないので散歩する。
古本屋に立ち寄った。
何冊か目を通した中に、ページが一度もめくられたかんじがしない新品の文庫あった。
「とびきりお茶目な英文学入門」という本だ。
はじめのページにメモがはさんであった。

「まみこへ

ずっと前に言ってた
本持ってきました。
よければ読んで下さい。

まゆみ」

まみこ……。


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2011-11-10 23:11:00

■りんご白書


J.アップルシードは林檎の木をタダで植えて回った男の話。
先月死んだりんご売りは、それほどお人よしじゃない。
関わるのも友だちにもなりたくない男だけど、ヤツのりんご
だけは絶品という噂だ。

僕はまだ試してないが、それは本当の話だろう。
誰かが齧った彼のりんごはよく目にするから。

君はもう食べたよね。
甘酸っぱい、真実の実。

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2011-11-09 09:42:10

■関東風カエルの煮込み

長い空白の理由。

AC/DCっていうバンドがあるけど、オレ、ADHDのメンバーだから…。

で、被爆難民ツアー中。

カエル料理のレシピMEMO。

大きめの鍋に水を入れる。
その中にカエルを一匹(二匹でも可)。
コンロにかける。
最初は弱火で。
カエルは気持ち良いので大人しくしている。
だんだんと火を強めていく。
カエルに気づかれないように。
やがて…。

ゆでられたカエルというお話し。

今の関東って、ゆでられているカエル状態。
みんな思考停止してるのかって、福島じゃ何も解決してないのに。
どれだけ安全なのか、ヤバイのか。
ニュースじゃ全然報道しないし、新聞の片すみに「本日の放射線量」ってw。
この異常さを誰も気づかないのかな。
原発の惨状も、関西テレビの「アンカー」経由。
報道規制?

オレが目が覚めたのは、先月のはじめだった。
ああ、これはかなりヤバイなと。
ふと目にした、工事看板の「放射線低減化」という文字。
「The Day After」そのものじゃん。
逃げなきゃ。。

でもそろそろツアーも飽きた。
「ADHD」だけに…。


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2011-10-07 23:42:43

■愚か者
数日、ベットの中でだらだら過ごした。
昼過ぎにやっと起きだす。
友だちに髪を切ってもらう約束がある。

今週、従姉が上京してくる。
自分たちの店を手伝うよう説得する気だ。
こちらにそのつもりはないけど。

ベットのまわりに散らかった、ペットボトル、
バナナの皮、ティシュ、吸殻。まとめてゴミ箱
に放り込む。

リサイクルのロゴが入った、オリーブ色のダストBOX。

交通費をケチって、自転車で行く。
クソ重たいビーチ・クルーザーで。

走り出すと気分が良くなって、だんだんスピードが
上がってきた。
ママチャリを2台抜いて、ますます調子が出てきたとき、スーッ
と横をロード―スポーツ自転車が抜いていった。
黄色いジャージを着た小柄な女性だ。
白いふくらはぎを軽やかに上下させながら、視界から消えた。
急に息切れ。
自転車を止めてタバコを吸う。

汗をかいたからか、蚊がやってきてしつこくまといつく。
何度払ってもなかなか諦めない。

蚊もそろそろ最後のチャンスだろう、必死だ。

煙を吹きかけてやっと追い払い、ゆっくりと健康を損ねる行為を味わう。
と、腕がチクッとし、反射的に手が動く。
パチンと音を立てた手のひらには、おれの血にまみれた蚊の死骸。

バカ……



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2011-09-04 20:23:20

■仮出所
半月稼いできた。
派遣会社の寮は仮設住宅以下だった。
夜、目を閉じると揺れを感じた。
「地震か?」と思ったが、やけに断続的で
不快な振動。
上のヤツが、オナニーをしてるらしい。
毎晩のように続いた。

備え付けの小さなテレビはアナログで、
ワンセグを見るしかない。
ところが電波の状況がよくなく、タイル画
になってしまうことも頻繁にあった。

朝の食堂のゴミ箱は、「スーパードライ」とか、
「氷結」の空き缶で一杯。
その横を、重い身体を引きずってバスに
乗り込み、仕事に。

そんな生活からやっと解放された。

今晩は薬なしで眠れそうだ。


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2011-09-01 22:21:59

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