ゲルニカの聖なる木
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■-4円の世界
「パァーン!」という破裂音をたてて、自転車のタイヤがパンクした。
去年の夏から乗ってるママちゃり。
クギやガラスの破片を踏んで空気が抜けるってもんじゃない。
車輪からタイヤが外れてしまってる。

冬にパンクしたときは、一時間近く押して歩いた。
が、今日はその気力も体力もない。
近くに潰れたガソリンスタンドがあった。

「捨てよう…」

荒果てたスタンドのガレージに自転車を止め、
転がっていたエンジンオイルの空き缶のふたで、自転車の
防犯登録ステッカーを削りとった。

自転車を置き去りにして歩き出す。
カップ式のコーヒー自動販売機が見えた。
こんなときの一杯のコーヒーほど慰めになるものはない。
アメリカンが80円。
財布の中を見ると、5000円札が一枚と、76円。



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2009-05-27 21:24:12

■方舟の時間
フランス映画。

エイズキャリアの主人公が診療所で注射を打ってもらう。
規則で医者は手袋して注射を打たなければならない。
そのときの担当の女医は手袋をしてなかった。

「手袋をしなくていいの?」

「めんどうだし、うつるときはしてたってうつるから」

名言。。

政府のHPを見てもマスクでウイルスを防げるとは書いていない。
マスクと皮膚の間からウイルスは進入するらしい。
拡散防止が目的。
と、すればマスクをかけて一人で歩いてるのは、ストレスがたまる
ぐらいで意味がない。
人ごみでかければいいだけだ。

スペイン風邪、ペスト、どんな流行病にもダメージを受ける人と受けない
人がいる。

神様はノアの方舟が今でもお気に入りらしい。

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2009-05-20 22:44:21

■輝く朝
伯父は朝起きると、先祖の仏壇に炊き立てのごはんをお供えする。
そこで下手なお経をつぶやく。
それから、接客用の茶室に向かって、みんなのお茶をいれる。
沸かしたお湯を、直接湯呑みにいれ、陶器をあたためる。
そのお湯を急須にもどしてお茶をいれる。
少しづつ順番に、3回ぐらいにわけていれていく。
1の湯呑みから6の湯呑みまでいれたら、今度は6から1へと、
まるで野球のドラフトみたいに。
お茶の濃さを同じにするためらしいが……。
そして、新聞を広げ、「ほぉ〜」とか「うーん」とか唸りだす。
毎日同じ。
昨日も今日も、たぶん明日も。
おれが東京に戻って、自販機の缶コーヒーで朝食をすましてるときも、きっと。







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2009-05-05 20:46:51

■顔のない食卓
魚と客は三日もすると悪臭がするという。
長期滞在のおれもかなり臭いことだろう。

ここでの生活にもだいぶ慣れた。
何より朝と晩は家族で食卓を囲むのがいい。
食事とは、腹を満たすだけじゃないことを痛感する。
人間社会の最も基本的で大切な行為。

みんなで食事をしたあとの、寝るまでの間。
これがまた、贅沢な時間になる。
親戚たちと飲みにいってもいいし、伯父さんに麻雀を教わってもいい。

「ここで、暮らせば」なんて、罪なことをいわれた。

そうできれば最高だけど、無理なのは自分が一番わかっている。
そろそろ帰りどきだな……。

おれは家族との食事というのを知らずに育った。
それらしき場所が、このブログだったのかもしれない。






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2009-05-04 20:02:36

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